舌癌 放射線

放射線治療の目的


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舌癌の放射線治療は、V期W期の時に、 手術治療の前後の補助的治療として行われます。

またV期W期において、一般的な治療にはまだなっていませんが、 職業などの理由で舌癌が引き起こす機能障害を避ける必要性がある場合や、 患者の方の希望が強い場合は、 腫瘍の栄養血管に抗癌剤を超選択的に投与しながら、 並行して放射線治療を行うこともあります。

舌癌によって影響を受ける職種としては、 歌手や、料理関係の方々が挙げられます。

舌癌の放射線治療には、通常の癌に対する放射線治療と違った方法もあります。

組織内照射というものです。

放射線を出す線源を舌の舌癌の部分に直接刺し、 集中的に放射線を当てて治療するのです。

これは早期(T期U期)の舌癌に適応になります。

しかし、早期(T期U期)の舌癌は、舌部分を切除することで 機能障害をほとんど残さずに治療することができるので、 舌癌に対しては手術治療をすることが、多くなっています。



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(1)外照射

体の外から放射線を当てて癌を治療する方法です。

 

 

舌癌を完全に治療することを目的にしたものではなく、
手術と組み合わせて用います。

 

 

副作用を抑えるため、25〜30回程度に分けて治療を進めます。

 

 

照射は、一回につき数分で終わります。

 

 

普通、1日1回照射して、約1ヶ月半ほどかけて治療していきます。

 

 

1日1回なので、外来通院治療が可能です。

 

 

 

 

副作用

 

副作用は、照射野(放射線の当たっている範囲の大きさ)により変わってきます。

 

 

口腔内が照射野に入っている場合には、
一時的に口内炎や味覚障害が起こります。

 

 

消炎鎮痛剤によって対応します。

 

 

 

 

後遺症

 

口腔乾燥感が残る場合があります。

 

 

口内乾燥は虫歯にもつながるので、歯科医に診てもらうのが良いでしょう

(2)組織内照射

全身麻酔をした上で、舌に細いチューブを刺し、
放射線を当てて治療する方法です。

 

 

舌癌が発生した部分に直接放射線を当てることができるので、
3〜5日ほどの照射で治療が終わります。

 

 

チューブ留置中は嚥下ができないので、
経鼻経管栄養(流動食)や点滴による栄養管理が必要です。

 

 

癌治療後は口から食事ができるようになります。

 

 

 

 

副作用

 

副作用として、口内炎が生じます(長くて1ヶ月ほど)。

 

 

通常は消炎鎮痛剤によって対応しますが、長期にわたる場合もあります。

 

 

 

 

後遺症

 

ごく稀に、難易性潰瘍が生じる場合もあります。

 

 

機能障害(嚥下や構音)はほとんど残りません。

 

 

味覚障害もほとんど回復します。

 

 

>>> 舌癌の抗癌剤治療についてはこちら

 

>>> 舌癌の手術治療についてはこちら

コラム:高LET放射線

近年、目覚しい発達を遂げているのが、「高LET放射線」の利用です。

 

 

X線やガンマ線などのものは、「低LET」なので、
これらを用いても、ガン細胞を消滅させることは出来ません。

 

 

高LET照射によって癌細胞を破壊することが出来るのです。

 

 

しかし、まだ実験段階のため、実用化が待ち望まれています。

 

 

舌癌にも効果的なものなので、早期の実用化が期待されます。

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